半導体エンジニアの仕事内容とは?【導入編/半導体歴25年のプロ解説】

若手君
半導体業界に転職したいな
半導体エンジニアの仕事を知りたい
あとどんな人が向いてるのかな?

こんな疑問やお悩みはありませんか?

実は半導体業界への転職に興味がある方は沢山いるのですが、職種が少なく自分には応募できないと勘違いしている方が多くいます。

なぜならネットでは間違った半導体の業務説明をしているサイトが多く、自分の学生時代の専攻内容に合わないと勝手に諦めてる方が多いのです。

たけ
こんにちは”たけ”と申します。

私は半導体メーカーで係長 兼 プロセス開発チームリーダーとして働いています。設計、プロセス開発、品質保証、試験など様々な職種を経験しています。

また半導体製品製造技能士1級の国家資格保有者でもあります。

この記事では半導体の業務内容を丁寧に解説します。

今回は”導入編”ですが、業務種類を知るにはこの記事だけで十分です。

結論はこの記事で「半導体の仕事がわかり、自分に向いてるか」がわかります。

では解説します。

 

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半導体エンジニアはどんな仕事?

本気の仕事内容の深堀解説は別記事にします。

本日は”導入編”ということで以下の4項目を説明します。

  • 半導体エンジニアの仕事一覧
  • 「設計」を少し詳しく解説
  • 「プロセスエンジニア」を少し詳しく解説
  • 「シュミレーション業務の違い」を説明

それでは行ってみましょう。

 

半導体エンジニアの仕事一覧

下記が半導体エンジニアのお仕事一覧です。

大分類で8種類、小分類で19種類が半導体エンジニアの仕事です。

更に細かくもできますがわかりやすい分類に留めました。

 

【半導体エンジニアの仕事一覧】

大分類仕事の種類どんな仕事内容?
設計仕様設計実現したい回路動作、それに必要な構成を考える
論理設計回路の基本構成を、プログラム言語で作る
論理シュミレーション論理回路の動作をシュミレーションで確認
レイアウト設計論理回路を実際の図面に起こす(ツール)
レイアウトシュミレーションレイアウト回路の動作をシュミレーションで確認
デバイス開発デバイス構造設計特性を出すため新規デバイス構造を考える
デバイスシュミレーショントランジスタ動作をシュミレーションで確認
プロセス開発【要素技術①】フォトリソグラフィウェーハ上に回路パターンを焼き付ける工程
【要素技術②】エッチングフォトリソグラフィで作ったパターン通りに削る工程
【要素技術③】拡散ウェーハにイオンを打ち込んだり熱をかける工程
【要素技術④】成膜ウェーハ上に酸化膜などの膜を積み上げる工程
【要素技術⑤】CMP膜を化学反応と機械研磨で平らに削る工程
【統括技術】インテグレーション要素技術①~④を繋げて製品全処理工程をデザインする
量産技術開発
(生産技術)
歩留改善、安定生産・安定稼働量産化された製品の歩留改善を実施
(プロセス、テストの改善等を行う)
実装開発チップ実装ウェーハ上のチップを切り分けパッケージ化する
試験ウェーハレベル検査完成ウェーハをテスターにセットし、電気的な動作試験
パッケージレベル検査ウェーハを切り出して作ったパッケージの電気的試験
不良解析不具合品、不良品の解析設計的、プロセス的異常を物理解析で解析する
(エミッション等の非破壊検査やTEM等の破壊検査)
品質保証信頼性評価トランジスタや製品の寿命評価や製品品質を顧客に保証

どうですか?種類が多いと感じますか?

ネットで見かける「半導体の仕事の種類紹介」みたいな記事はせいぜい3~5種類です。

明らかにそれじゃ足りないんです。

情報は正しい本物を選びましょう(笑)。

この中で私が今まで経験した仕事は、

  • 論理&レイアウトシュミレーション
  • フォトリソグラフィ
  • エッチング
  • 拡散
  • 試験
  • 品質保証
  • インテグレーション

です。なんでも屋さんですね。

なかでもインテグレーションが10年以上で最長です。

 

現在の転職求人は設計プロセス量産技術が多いですね。

そこで今回は設計、プロセスをもう少しご説明します。

 

もし各仕事の詳しい内容がもっと知りたかったり、実際に半導体業界への転職に向けてどう動けば良いかご相談希望の方はお気軽に下記までどうぞ。

設計という仕事を詳しくご説明

設計は以下の5個の手順に分かれています。

  • 仕様設計
  • 論理設計
  • 論理シュミレーション
  • レイアウト設計
  • レイアウトシュミレーション

 

ざっと分けるとシュミレーションとそれ以外です。

シュミレーションは、予定した通りの動きをするかツールを使って確認する作業。

いわば答え合わせのチェック作業です。

 

仕様設計というのは
・こんな動きをさせたいな
・じゃあこの回路を入れようかな?

 

とアイデアを出して企画する工程です。

「こんな風に動かしたい」を実現するための検討ですね。

 

次に論理設計は「1」と「0」の信号の流れを作る作業です

例えば「1」と「0」の信号を集めたり、バラバラにしたり。

その「1」と「0」を出す最小の基本回路がANDやORになります。

回路図で書くとそれぞれ下記の記号です。

 

論理設計は極論このANDとORの組み合わせです。

✅1を入力して150段目のANDは0出力させる

✅5番目のAND出力が0の間は、こっち3本は全部0出力

みたいな動作を実現できるのです。

このデザインが論理設計になります。

 

最後にレイアウト設計はいわばお絵描きです。

大きなキャンバス(広いスペース)に論理設計で作った回路をキレイに並べる作業です。

 

ただ細かい調整も多く発生します。

論理設計で作った沢山の信号経路は、それぞれ出口までばらばらの長さです。

つまり出口までの到達時間がばらばらなんです。

そこで出口までの到達時間を合わせるために、間にわざと待ち時間を作る回路とかをレイアウトで差し込みます。

 

プロセスエンジニアを少し詳しく説明

プロセスエンジニアの仕事は大きく分けて

  • 要素技術開発
  • 統合技術開発

 

の2です。

薬品で処理したり、切ったり、塗ったりを一番良い条件で処理できるように調整するのが要素技術開発

要素技術を繋げて製品を作るのが統合技術開発です。

統合技術開発はプロセスインテグレーションと呼びます。

現在私がやっている仕事です。

各要素技術は下記のようなイメージです。

 


(引用元:日立ハイテクノロジーズ 半導体製造工程:半導体の部屋)

フォトリソグラフィとは、上の絵の真ん中です。

まず設計で作成した回路パターンをガラス製のフォトマスク上に描きます。

このフォトマスクは回路が置いてある場所は黒、何も無い場所は白(半透明)になっています。

 

マスクに紫外光を当てると、白(半透明)の場所だけ紫外光が通ります。

予めウェーハの上に感光材を塗っておけば、紫外光があたる白部だけ溶けてなくなります。

 

この仕組みがフォトリソグラフィです

回路があるところは感光材を残し、無いところは感光材を消します

残したい部分だけを残す為の工程、とも言えます。

 

続いてエッチングは上の絵の右側です。

フォトリソグラフィが終わると、感光材が残る部分があります。

この形に添って掘り込む工程が「エッチング」です。

 

どんな下地を削るかは色々なバリエーションがあります。

例えば感光材のパターンをウェーハ(シリコン)の上に直接作ったなら、削るのはシリコンになりますし、酸化膜の上に感光材のパターンを塗ったなら削れる下地は酸化膜です。

 

リソグラフィ&エッチングはコンビプレイのように1セットです。

 

次の成膜という工程は上の絵の左側になります。

ウェーハの上に膜を付ける工程が「成膜」です。

この膜にも様々な種類があります。

POLシリコン、酸化膜、窒化膜、等色々です。

 

成膜の役割としては

  • 保護膜
  • 回路と回路をつなぐ配線形成の一環
  • 配線同士がくっつかないように分離する膜

等様々です。

 

では最後に拡散工程の説明です。

個人的には、プロセス開発で最も難しくやりがいがあり、テクノロジの性能を決めてしまう超最重要工程だと考えます。

まずは下記のトランジスタ構造を見てください。

 


(引用元:富士通研究所 システムLIってなんだろう?)

 

上の絵はN型/P型2つのトランジスタを表しています。

この特性(動作スピード)を決めるのが拡散工程です。

トランジスタが動くのは、ソースからドレインに向かって電子やプラス電荷(正孔)が移動するからです。

 

このソースやドレインを作るのは拡散工程です。

シリコン部分にイオンを打ち込み、熱をかけて広げます(つまり拡散)。

だからこそトランジスタを作る工程は拡散工程と呼ばれます。

 

ソース、ドレインの深さやイオンの濃度の濃さ、あとはその2つを分断しているゲートの大きさでトランジスタのスピードが決まるのです。

 

色々なシュミレーション業務の違いを説明

では最後にシュミレーションの違いに少し触れます。

シュミレーション業務には

  • 論理シュミレーション
  • レイアウトシュミレーション
  • デバイスシュミレーション

 

と大きく分けて3種類あるとご説明しました。

実はこの3つは以下の様に分類できます。

種類目的確認時期
論理シュミレーション回路の動きをチェックすること回路設計時
レイアウトシュミレーション
デバイスシュミレーショントランジスタの動きをチェックすることプロセス開始前

 

つまりシュミレーションごとに目的が違うんです。

回路確認用のシュミレーションでは、信号の入出力を確認します。

例えば最初に1を入力したら150番目はちゃんと1が出てる?とか。

この時信号の出口までの到達時間も見ます。

 

一方、トランジスタシュミレーションは少し違います。

ソースとドレインが近づいたら速くなる?

ドレインだけイオンを濃くするともっと速くなる?

といったことを確認します。違いをイメージできますか?

半導体エンジニアに向いている人とは?

半導体エンジニアに向いている人はズバリ以下の方です。

  • 大学・大学院での研究経験がある人
  • 問題解決を楽しめる人
  • 新しいことに挑戦するのが好きな人
  • 電気・物理・プログラムの知識がある人

では以下でご説明します。

 

大学・大学院での研究経験がある人

これはどんな分野、どんな研究でも構いません。

1年間(学卒)や3年間(院卒)といった一定期間、研究を続けた方なら誰でも半導体エンジニアになれる素養はあります。

 

この経験で重視しているのは「物事を多角的に考える能力」

 

になります。

研究テーマを進める中で様々なトラブルや、予想外に良い結果が出ます。

その時に「何故?」「どうして?」を考えられるかが重要です。

 

本当の原因を突き止めるには、これが原因?いや違うこっちが原因か?と様々な視点で考察を繰り返す必要があります。

半導体は製品ごとに新しい構造を盛り込みます。

初見の不具合解明のためには、多角的視野が必須です。

 

問題解決を楽しめる人

これも非常に重要な要素です。

半導体開発では全く見たことが無い、経験がないトラブルや特性劣化が起こります。

 

こうした事態の時に
「トラブルのある仕事は嫌だな。。。」
「調べるの大変だし、調べ方も分かんない。。。」

 

と諦めてしまう方は半導体エンジニアには向いてないかも。

 

でもよく考えて見てください。

未経験のトラブルなら、あなたが世界初でその問題を解決した人になれるんです!

 

こんなエキサイティングで楽しい仕事がありますか?

つまり端的に言えば

・トラブルを新しい経験と前向きに捉え
・解決すること自体を楽しめる人

 

は半導体エンジニアにすごく向いています。

もしかしたらこの要素が最重要かもしれません。

ちなみに私が経験したトラブルで最も難関だった事例は、解決に2年間かかりました。

 

毎日上司に「解決はまだか?」とせっつかれながらも、原因究明の解析をしたり実験をしながら何とか解決できた経験は本当に貴重でした。

この事例で私の知識とスキルは飛躍的に伸びました。

 

新しいことに挑戦するのが好きな人

半導体開発では他社との競争が激しいです。

他社との差別化で新技術を開発しそれを製品に搭載します。

数カ月単位で、基本の製造プロセスが変わるのは日常茶飯事です。

 

そんな状況だからこそ、

常に新しいことに挑戦する方にはとても向いています。

 

現状を維持することが大事な仕事もありますが、半導体エンジニアは違います。

常に変わり続け、新しい知見を吸収し進化することが必須です。

是非挑戦の好きな方にやって頂きたい仕事です。

 

【必須じゃないが】電気・物理・プログラムの知識がある人

最後に必須では無いですが、「電気・物理・プログラムの知識がある人」は半導体エンジニアに向いています。

色々な半導体エンジニアの仕事をご紹介してきました。

 

その中で
「設計/試験は電気・プログラムの知識」
「デバイス/プロセスは電気・物理の知識」

 

が必須のため、あれば有利です。

ですが未経験でも募集している企業も沢山ありますし、1年もあれば業務はこなせます。

大切なのはその環境で学ぶことですね。

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まとめ

本記事では半導体エンジニアの仕事内容と、その仕事にどんな人が向いているかを述べました。

半導体エンジニアの仕事は大きく分けて

  • 設計
  • デバイス
  • プロセス
  • 量産技術
  • 実装技術
  • 試験
  • 不良解析
  • 品質保証

というような仕事があります。

 

更に半導体エンジニアに向いている方は

  • 大学・大学院での研究経験がある人
  • 問題解決を楽しめる人
  • 新しいことに挑戦するのが好きな人
  • 【必須じゃないが】電気・物理・プログラムの知識がある人

としました。

 

もしあなたが本日の記事を読んで半導体エンジニアになりたい!転職したい!という気持ちになったならこれほど嬉しいことはありません。

将来有望な仕事に気づけて良かったです。

 

ただせっかく決意が固まっても、日々の仕事に忙殺されてしまい、本当に疲れクタクタで「将来有望」と分かっている半導体業界の仕事でさえ情報集めに億劫になってしまいます。

 

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