
たけと申します。本記事を書いている私は
- 半導体エンジニア歴23年
- 半導体の職種を5種類以上経験
- 一級半導体製品製造技能士(国家資格)
という経歴の、自他ともに認める半導体のベテランエンジニアです。前職では課長として中途面接も担当しており、中途採用で「どんな半導体エンジニアが欲しいか?」も熟知しています。
そんな私が「未経験で半導体エンジニアに転職できるか?その方法は?」という点について丁寧にご説明いたします。半導体業界を目指す方に参考にしていただければと思います。
この記事でわかること
未経験でも半導体エンジニアになれます
結論として、未経験でも半導体エンジニアになることは十分可能です。そう言える理由としては2点あります。
1点目は半導体エンジニア数がそもそも不足しているからです。確かに業績によって企業間にバラツキはあると思いますが、現在活況な半導体メーカーでは、慢性的にエンジニア数が不足しており、転職で人材を確保するという流れがあります。
2021年現在は、IoT、5G、データセンターへの投資が盛り上がっている影響もあり、私の会社含め活況な半導体メーカーが比較的多いと思います。
2点目の理由は、特に大きな半導体メーカーでは教育制度が非常に充実しており、入社後教育を受けつつ、現場でOJTで業務をこなせば、数年で即戦力となることが十分可能だからです。
採用側も「ポテンシャルのある人材」であれば、育てて自社の戦力にできるという確信と実績があるのです。中途採用でよく聞く”ポテンシャル採用”の枠がこれに該当します。
例えば前職で、30代前半で転職入社してきた女性の方がいました。最も人材が不足していたロジック設計部隊に配属されていました。彼女は半導体エンジニアの仕事は未経験でしたが、前職のスキルを生かせる業務だったこともあり、大きな成果を出して表彰されていました。
未経験の半導体エンジニア転職は30代が限界
実は未経験で半導体エンジニアになるなら30代が年齢的に限界だと考えます。企業によって若干差はあると思いますが3社半導体メーカーを経験し、中途面接も担当した私の実感です。
なぜなら、半導体未経験者はプレイヤー、いわゆる一般の実務者として採用する必要があるためです。さすがに40代や50代の方を、何の役職も無く入社3~5年目の実務者と同程度の給与で採用できない事情があります。
それは採用企業には、年齢もある程度加味して整備された給与体系があり、極端に年齢と給与のバランスが崩れた人材は給与モデルに乗せられない為、見合わせている事情があるのです。
30代での転職成功例は、私のブログ読者様、学生時代の後輩等、沢山の事例があります。一方で、40代以降では未経験でも経験者でも採用されなかった事例が結構あります。
40代で未経験採用されなかった事例として、友人の例があります。友人は化学材料の研究者でした。非常に優秀でしたが10社近くも受けたのに、1次面接に行けたのはわずかに1社のみ。
更に1次面接でも「年収は大幅に落ちる」「役職のつかない実務者で特別待遇は無い」という宣告を受け、泣く泣き諦めたそうです。42才でサブリーダーにもなれないと言われたそうです。
40代経験者で採用されなかった事例は、私自身の例です。半導体知識や実務経験、統括経験には少しばかり自信がありますが、昨年(2020年)の転職活動時に、「40代以降は人によらず全て足切り」という方針の会社に落とされました。
半導体メーカーはほどんど書類審査は通っていたのに、その会社は2日程度ですぐ書類選考落ちでかなりショックを受けたのを覚えています。もうあの会社の商品は買わない(笑)
未経験でも半導体エンジニアになるには?
ズバリその方法とは
- 挑戦回数を増やす
- 半導体エンジニアのプロに進路相談する
の2つに尽きると思います。では詳しくご説明します。
挑戦回数を増やす
何度も挑戦することで、未経験でも自分を採用してくれるケースが多々あります。
なぜなら転職で採用されるか否かは、採用側の求める人物像とあなたのスキルが合うかどうかだけなので、一度落ちても他社で採用されるケースは多々あるからです。その時の募集側とあなたの相性が良いかどうかだけです。
具体例として私の昨年の転職事例をあげてみます。うぬぼれでも何でもなく、私は23年の半導体プロセスエンジニア経験を積み、それなりの実績も残してきました。
自社で初の超微細プロセスを立ち上げたり、画期的なプロセス技術特許も10本近く取得していますし、2年間解決できなかったプロセス課題を解決し、新製品の量産化に大きく貢献できた経験もあります。
それでも書類審査だけで「あなたはいりません」とほど落とされたケースもあります。46才という年齢の壁もあると思いますが、これはかなりのショックでした。
あとで転職エージェントに伺ったら、30代前半までの「ポテンシャル採用」を優先していて、未経験でも良いから30代前半までの若い世代が欲しい、との事情でした。これがいわゆる相性です。
しかしそこで諦めず、挑戦を続けることで、2020年10月に今の会社にプロセスエンジアとして入社できたのです。上司に伺ったところ、経験豊富でチームの統括経験者が欲しかったとのこと。
つまり採用企業によって、欲しい人材像がバラバラなので挑戦回数を増やすことで、確実に沢山のチャンスが生まれることになります。
もしあなたが本気で半導体エンジニアを目指すなら、様々な応募先、職種を紹介してくれる転職エージェントにお世話になることは最初の必須条件になります。自力で求人を見つけることなどまず不可能ですからね。
下記に私が全く忖度無しで本気でお勧めするエージェントさんをまとめているので、本気で半導体業界を狙うなら是非参考にして無料登録して賢く使ってくださいね。
半導体エンジニアのプロに進路相談する
半導体エンジニアのプロに相談し、最適な職種や将来の見通しについて適切なアドバイスを貰うことはとても大切なことです。
なぜなら未経験であっても、最初にどんな職種を選び、将来的にどんなキャリアプランを構築するかで半導体エンジニア人生の方向性が決まってしまうからです。
では私が30代の方へアドバイスし、転職成功した例をお話しします。その方は31才で素材メーカーで樹脂材料開発をしていました。経歴を聞いただけで私は「プロセス開発」か「量産技術開発」が適しているとピンと来ました。
ですが、その方は「ツールを駆使した仕事が格好良い」という理由でレイアウト設計を希望していました。レイアウト設計とは、論理設計者が設計言語で書いた回路を実際の図面に起こす作業です。
ですが、最近はこの作業は85~90%くらい自動化されてしまっている仕事で、半導体メーカーによっては自社の貴重な人材を使わず安価な外注さんに丸投げする仕事です。つまり自分らしいクリエイティブな要素が望めない仕事なのです。
その方は自分で新しい技術の立ち上げをしたい!とおっしゃっていたので、真逆の仕事を志してしまっていた訳です。そこで私が改めてご希望に沿った提案したところ、志望職種をプロセス開発に変更し転職に成功しました。
いかがでしょうか?仕事内容を知らないまま転職エージェントさんのオススメに従って応募してしまうことが危ういことに気づかれたでしょうか?
転職エージェントさんは確かに非常に良質な求人を用意してくれますが、半導体エンジニア出身者はほぼ皆無の為、実は「何の仕事か良く知らずに紹介している」というのが事実なんです。残念ですが。
もし本気で半導体エンジニアを目指すなら、私の方でもご相談を承っておりますので、プロのアドバイスが必要でしたら下記からお気軽にどうぞ。転職後の10年、15年先を見据えたアドバイスを心がけています。
製造メーカーへの転職相談、キャリア相談等を受けます 半導体歴23年のエンジニアが人生の岐路で親身に相談に乗ります
まとめ
結論として、未経験でも半導体エンジニアになることは十分可能です。ですが何才でも可能とは言えず、現実的に30代が年齢的に限界というのが経験的な実感としてあります。
もし未経験で半導体エンジニアに転職するなら
- 挑戦回数を増やす
- 半導体エンジニアのプロに進路相談する
というアクションをお勧めします。
挑戦回数を増やすのであれば、30代以降にマッチした転職エージェントで質の高い求人を無料で紹介してもらうことが成功への近道となるでしょう。本気でオススメのエージェントはこちらです。
あと身近に半導体エンジニアがいなく、本物のキャリア設計や技術的見通しのご相談をご希望でしたら私の方でも承っています。ぜひお気軽に下記からお申込みください。ボランティア並み価格です(笑)