
まずどんな勉強したら良い?
エンジニアの導入書を知りたい
半導体メーカーでプロセスエンジニア 兼 係長として働いています。
34歳、46歳で2回の転職経験があり、現在は3社目になります。
一貫して半導体業務に従事してきており、累計26年の経験になりました。
また一級半導体製品製造技能士という国家資格の保有者でもあります↓
あなたは今、半導体エンジニアの仕事に興味がありますか?
であれば、まずは本から学習を始めましょう。
半導体の知識・技術を効率的に学ぶ方法がありますが、まずは本での自己学習が最適だからです。
本日は半導体エンジニアを目指す方に合った学習用書籍をご紹介します。
また本格的な技術習得までのロードマップも提示しますので、ぜひ隅々まで読んでみてくださいね。
この記事でわかること
半導体を勉強する手順
半導体を上手に学ぶ手順があります。
初心者からスタートし、最終的に専門技術者になるには以下の手順で学ぶのが効率的です。
- 本(書籍)で学習する
- 要素技術を学び製品に適用する
- 要素技術を使った業務を複数製品で経験する
- 統括技術を学び製品に適用する
- 統括技術を使った業務を複数製品で経験する
- その分野の専門家となる
という流れです。
要素技術、統括技術はこちらで詳しく解説してますのでご一読を。
要素技術とは、ある分野の一つの役割と言えます。
例えば半導体設計での要素技術には論理設計やシュミレーションがあります。
また半導体プロセスの要素技術には拡散や成膜があります。
こうした要素(小さな専門分野)の業務を積み重ね、実績を積みます。
そして最終的に要素技術を束ねる統括者になれば一人前です。
このようなスキアップの最初にやるべきが、本での自己学習です。
原理原則をまず本から学んでください。
理論を分かった上で実業務を行うと、加速度的に技術が身に付きます。
半導体の勉強に最適な本(書籍)
では半導体学習に最適な本をご紹介していきます。
とは言え、少し段階別・レベル別に学んだ方が効果的です。
そこで「初心者向け」「半導体エンジニア希望者向け」と2通りでご紹介します。
巷にありがちなブログでは初心者用しか紹介してないんですよね。
それじゃエンジニアになれないの要注意です。では行きます。
初心者向け(4冊ご紹介)
半導体未経験、もしくは概要のみを把握している方向けです。
主な読者として、半導体未経験者、半導体技術営業、エンジニア新人を想定しています。
主に下記のような内容を学ぶことができます。
- 半導体業界の動向
- 半導体ってどういうもの?主な用途は?
- 半導体の基本的な製造プロセス概要(入門)
これらを学ぶのに最適な4冊は以下になります。
これらを一通りよんできちんと理解できれば
「半導体の特徴と主な用途と強み」
「半導体製造の流れと具体的な処理プロセス」
を把握できると思います。
もし本気で半導体エンジニアを目指すならこの程度はすぐ読破して理解できるよう頑張ってください。
半導体エンジニア希望者(6冊ご紹介)
主な読者は半導体エンジニアを目指す方、もしくは既に半導体に携わっている方です。
かなり絞りましたが、プロが自信を持って選んだ超良書になります。
主に下記のような内容を学ぶことができます。
- 半導体プロセス加工装置の概要や処理内容
- 半導体の物理現象
- MOS Trのあらゆる物理特性(Spiceモデル化)
- 半導体の故障事例と解析手法
これらを学ぶのに最適な6冊は以下になります。
半導体の製造工程(Semicon Brain)
http://www.semiconbrain.com/s_kyoiku/text/index.htm
さきほどの入門書と違って難解な本が多いと思います。
それゆえ一度に読むのは不可能ですので、少しづつ理解しながら読み進めてください。
そして手元に置いて、いつでもバイブルとして活用することをオススメします。
私自身もMOSの特性が想定外の動きをした時に「半導体デバイスの物理」等を良く見返して確認します。
半導体学習に役立つyoutube動画
ただ内容はあくまで広く浅く、スポットのノウハウや知識を説明した動画が主です。
設計手法やプロセス技術を深堀する動画は残念ながらあまりありません。
ですが導入の学習教材としては非常に有益ですので、いくつかご紹介します。
このチャンネルでは半導体の企業紹介や業界トレンドの動画が多いようです。
その中でも私が特に素晴らしいと感じた動画は以下になります。
つづいてオススメのチャンネルはこちらです。
ものづくり太郎さんですね。
セミコンのゲストとして登壇したときは楽しいお話聞けてうれしかったです。
こちらも広く知識を得る、という動画が多いですが私のオススメはこちら。
他にも半導体の動画はあります。
ですが、例えば後工程のメーカーの動画はイマイチの印象です。
主業務が組み立て等で、半導体の主流の仕事ではないためです。
決して実装に魅力がないという訳ではありません。
ただ転職エージェントで扱っている求人の90%以上は前工程です。
あなたにも本業があり時間がない状態だと思います。
であれば効率的に半導体の知識を得るべきです。
あえてマイナーな後工程を勉強する必然性はないんです。
半導体技術はOJTが最も身に付く
結論ですが
「半導体技術はOJTで最も身に付く」
ということ。
OJTとはOn The Job Trainingの略です。
つまり現場で先輩が実際にやって見せながら後輩に知識や技術を伝えること。
それはなぜか?
半導体は装置産業と言われるほど装置の使いこなしが大事です。
それ故、技術の原理原則を学びながらも、やりたい加工・処理を装置で実現できなければ意味がありません。
装置ごとにクセがあり、現場で先輩が
- なぜこの設定が必要なのか?
- このパラメータを変えると何が起こるのか?
- サンプルごとの差は何が原因なのか?
- 一見して成功した加工はなぜ失敗なのか?
といったことを理論や装置のクセ、加工の狙い値を織り交ぜながら説明をすることで後輩の実力が激的に伸びるのです。
半導体エンジニアはこの過程を経て成長します。
少し脱線しますが、どの会社も特許部は優秀な方が多いです。
半導体に関しても非常に豊富な知識があります。
ですがどこまで行ってもエンジニアには勝てないんです。
また物理原則に反したあり得ない提案をしたりするんです。
その理由は現場で現物や装置に触れていないから。
つまり本だけ勉強しても技術者には絶対なれません。
ある程度の泥臭い実験と失敗、苦労して作り上げた経験が必要です。
まとめ
本日の記事では
✅半導体を勉強する手順
✅半導体の勉強に最適な本(書籍)
✅半導体学習に役立つyoutube動画
✅半導体技術はOJTが最も身に付く
という内容を解説してきました。
半導体の学習に役立つ本はわかりましたでしょうか?
まずは気になったものから手に取って勉強してみてください。
あなたがもし本気で半導体業界への転職をお考えなら下記ご一読を。