
たけと申します。現在、半導体メーカーでプロセスエンジニアとして働いています。
私は34才、46才で2度転職を経験していますが、実は前にいた会社で社内転職も経験しています。具体的には半導体の回路設計エンジニアから、製造プロセスエンジニアに社内転職しています。
えっ、その回路設計とかプロセスってどんな仕事?と興味が湧きましたらこちらに半導体のお仕事を丁寧にまとめていますので、是非参考にご一読ください。
社内転職は、他社に移る転職と比べると肉体的・精神的な負担が少なくて済みますし、何よりこれまでの人脈や給与、慣れた社内風土を引き継ぎながら新しい仕事ができるというメリットがあります。
メリットの多い社内転職ですが、他部署へスムーズに移るにはそれなりのコツがあるのも確かです。本日は社内転職の経験者として、上手に他部署に異動し新しい仕事をするコツをお伝えします。では行ってみましょう。
この記事でわかること
社内転職に成功する4つのコツとは?
社内転職に成功する4つのコツとは
- 新しい職種の勉強をする
- 異動希望先の職場の評判、内部事情を探る
- 異動希望先の上長に事前に根回しをする
- キャリアプランを作り現在の上司に説明する
となります。ではこの4つのコツを詳しくご説明いたします。
新しい職種の勉強をする
次にやってみたい新しい職種の勉強をあらかじめ進めておけば、社内転職にとても有利になります。
というのも、あなたが他の部署や他の職種を希望した時に、既に希望する新分野の勉強を進め、将来的にどんな仕事をしたいかの目標を持っていれば、上層部に本気度と熱意がしっかり伝わるからです。
例えばあなたが上司の立場だとして考えてみてください。部下が「新しい仕事を違う部署でしたいです!」と申告してきたら「なんで?どんな仕事をしたいの?」と聞くでしょう。もしその時の部下の回答が以下の2通りだったらどちらに本気度を感じ、サポートしたいと思いますか?
回答A:とりあえず新しいことしたいからです。でもどんな仕事があるか良く分かりません。
回答B:ものづくりの下流(現場側)で生産技術に携わりたいからです。もし可能でしたら半導体プロセスの要素技術開発から挑戦してみたいです
私が上司だったら、Bの回答があればなるべく希望に沿うよう協力してあげたいと思うでしょう。一方、Aの回答を聞いたら「単に今の部署に不満があるだけ」と判断し、普通に”使いにくい部下”のレッテルを貼って終わりにしちゃいそうです。
あなたがしっかり新分野の勉強をし、上司に熱意と本気度を伝えられるかどうかが、スムーズな社内転職の第一歩となることを良く覚えておいてください。
上司も人ですので優秀な人材は手元に置いて大事にしたいものです。ですが、大事な部下が自身の成長のために新しいことに本気で挑もうとするなら、応援する上司も多い気がします。私も前職で課長でしたが、熱意ある部下が社内転職を希望したら協力したくなります。
異動希望先の職場の評判、内部事情を探る
異動希望先の内部状況を事前に探ることは実はとても大切なことです。
やはり職場環境の良し悪しは、安心して仕事ができるかどうかに関わるので本当に大事なポイントです。妙な派閥やいじめや、特殊ローカルルールなど本来「あってはならない」慣例が職場にあると新参者にはとても働きづらい職場になるからです。
ですので、もし異動希望先に知り合いがいたり、その部署と仕事をしている仲間がいれば、事前に良く職場環境を調べることをお勧めします。もし運よくヒアリングすることが出来たら、本音で話を聞いてみてください。
実は私にも異動してみたらとんでも無い過酷な部署だったという経験があります。もはや記憶から消去したい1年半でしたよ(笑)。どんな風に嫌だったかと言うと、例えば
・朝一に部署全員のお昼の弁当予約
・残業は課長、リーダーが帰るまで帰れない
・上司が休日出勤なら自分も強制出勤
今の時代では経費削減などの波で無駄な残業は許されませんが、20年近く前は「残業こそ正義」の時代でとても辛かったです。こんなことにならぬよう、事前の職場調査は可能な限り丁寧に実施されることをお勧めします。
異動希望先の上長に事前に根回しをする
異動希望先の上長に事前にラブコールを送るのも社内転職ではとても有効です。というのも、どんな部署の管理職でも自分たちの仕事に興味を持ち「やりたい!」と希望してくれる人材は大切にしたいと思うからです。
とりわけ普段一緒に仕事をする機会があり、既に人柄や仕事ぶりを良く知る人が希望してくれたら、異動希望先の上長も安心して社内転職に協力をしてくれるケースが多々あります。
私の社内転職も、この事前の根回しが上手くできたパターンでした。いつも一緒に仕事をする他部署の仕事をやってみたくなり、コッソリその部署の課長さんに相談したのがキッカケでした。
その後、自分の予想以上にその部署の課長さんと部長さんが私の社内転職に協力してくれました。最後は当時の部署の上長に直接掛け合って私の異動の許可までもらってくれました。本当に今の私があるのは当時のあのお二方のおかげと言っても過言ではありません。
結局最後は「人」ですので、本気の気持ちを丁寧に異動希望先の上長に伝えることは大事です。
キャリアプランを作り現在の上司に説明する
自分のキャリアプランを作り、今の上司に説明することは社内転職には有効です。というのも、将来自分がこうなりたい!という明確なキャリアプランがあれば、今この時点で異動して他のスキルを身につけることに断然必然性が出て来るからです。
もしかしたら各社名前は違いますが、例えば半導体では「製品統括」という役割の仕事があります。その仕事は設計や評価、製造などの各部署の進捗を管理すると共に、各部署間のトラブルや問題解決を行います。
つまりこの仕事をするには、設計や評価等あらゆる知識が必要になってきます。知見がなければ正確なトラブル解決日数が見積もれず、顧客に説明すらできません。
もしあなたが「製品統括」のような仕事を希望された場合、設計→評価→製造と色々な部署で経験を積みたい!という希望は至極当然ですし、筋が通った希望だと思ってもらえますよね。
キャリアプランを作って上司に説明する意味はこれです。これからあなたがなりたい姿、やりたいことを説明し、そのためには〇〇という部署に移り、新たな知見とスキルを身に着ける必要があると伝えれば良いのです。そうすれば非常に納得性の高い社内転職の理由になりますよね。大義名分もあり、上司も協力しやすいはずです。
社内転職後に気を付けること、やるべきこと
社内転職後に気を付けること、やるべきことは
- 前部署の不満や文句は絶対言わない
- 新人のつもりで謙虚に仕事をする
- どんな仕事も引き受ける
- 重要な会議に積極的に参加させてもらう
の4点です。それでは詳しく見て行きましょう。
前部署の不満や文句は絶対言わない
前部署の不満や文句を絶対言わない、というのは社内転職なら当然守るべきマナーです。
もし仮に本音の部分では思うところがあったとしても、あなたの社内転職は「新たにこういうスキルを身に着けたい!」という大義名分の元に成功したはずです。そしてそんな前向きな姿勢が新たな部署に受け入れられたから社内転職が出来たのだと思います。
そういった背景があるのに前部署の文句ばかり言っていると
「本当は逃げたかっただけか?」
「ここでも文句ばかり言って出て行くのでは?」
と思われてしまいます。私だって、そんな不届き者が自分の部署に新たに入ってくれば同じ思いになります。
あなたが社内転職できたのは、前部署、現部署の上長皆さんのご尽力があって実現したとても貴重なありがたい機会であることを肝に命じましょう。
新人のつもりで謙虚に仕事をする
社内転職後は新人のつもりで謙虚に仕事をすることが大事です。
運よく社内転職が成功したとしても、あなたはまだその部署の仕事、ルール、慣例など何も知らないまさにまっさらな新人君と同じです。例えば30才で社内転職したとしても、異動後はあくまで何も知らない人なんです。
そこをきちんとわきまえず、年下の同僚に「お前教えろよ!」なんて先輩づらしては決していけませんよ。扱いづらい人だと思われて誰も助けてくれなくなります。
年齢など関係なく、あくまであなたは「新人」です。年下でもその部署の仕事では先輩なので、「申し訳ないけど、ちょっと教えてください」と謙虚に相手を敬いながら仕事することが大事です。社内転職後にこうした姿勢で取り組めば、新たな職場で受け入れられ仕事もしやすくなるでしょう。
どんな仕事も引き受ける
社内転職後はどんな仕事でも進んで引き受けることが大事です。その理由は2つあります。
1つは大きな仕事から小さな仕事まであらゆる仕事を引き受けることで、その部署のミッションや最も力を入れている業務、方針を把握することができます。2つ目は、業務の大小に関わらず引き受け一生懸命に取り組むことで「どんな仕事でも大切に考えられる人」という良いイメージが職場で定着するからです。
こうしたイメージが付けば、本当にミスが出来ない大切な仕事、もしくは大変すぎて誰もやりたがらないけど全社的に重要な仕事なども任されることがあるのです。
SNSやネットで仕事の良し悪しについて過激な発言をする方もいますが、私は常に「仕事に貴賤なし」という姿勢でおります。どんな仕事でも真剣に丁寧に取り組めば、必ずあなたの評価はあがり、自分に返ってきますよ。
重要な会議に積極的に参加させてもらう
重要な会議に積極的に参加させてもらえば、社内転職後にいち早く部署の位置づけ、ミッションが分かります。
そもそも会議というのは、大事な方針や決め事の最終確認の場です。となれば、重要な会議に参加することで社内転職後の新しい部署が
・どんな部署と仕事をしているのか?
・どんな問題をかかえているのか?
・どんな方針を出そうとしているのか?
を最短で知ることができるのです。異動したばかりでいきなり色々な業務をこなすケースは少ないと思います。ですので時間のある異動間もない時期は部署のメンバーが重要な会議に出るときは参加させてもらうことをお勧めします。
そこで他部署の方に自分を紹介してもらえるのもメリットですよね。例えば「今度入られた〇〇さんです」みたいに。社内で仕事をする以上、名前と顔を覚えていただくことは非常に重要ですね。
まとめ
本日の記事をまとめますと、社内転職に成功する4つのコツとは
- 新しい職種の勉強をする
- 異動希望先の職場の評判、内部事情を探る
- 異動希望先の上長に事前に根回しをする
- キャリアプランを作り現在の上司に説明する
となります。社内転職後に気を付けること、やるべきことは
- 前部署の不満や文句は絶対言わない
- 新人のつもりで謙虚に仕事をする
- どんな仕事も引き受ける
- 重要な会議に積極的に参加させてもらう
の4点になります。積極的に使ってみてください。
ただし、もしあなたの会社で社内転職が3年に1回しか使えない、社内転職の制度自体がない等の不遇な環境でしたら事態は深刻かもしれません。気力・体力の限界まで耐えるしかなくなるからです。
そんなあなたの場合は、今本当に転職する気がなくても転職サイトに登録しておいた方が良いかも。なぜならストレス・疲労が限界を越えると転職サイトに登録する気力すらなくなり逃げ道が断たれてしまいます。
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追伸
もし今後のキャリアプランや転職で迷ってらっしゃるようでしたら、直接私が状況を伺い、これまでの経験と実績から考えうるアドバイスをお伝えすることができます。
エンジニア歴23年で開発から営業、また役職としては課長まで経験しています。特に製造業に関してキャリアプランや転職でお悩みの方には適切なコメントが出せると思います。
残念ながらネットの製造業、半導体の仕事の説明記事は半分以上がエンジニア未経験者が書いた不十分で間違いだらけの情報になっています。そこから情報を得ることは危険です。
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